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広い視野を自然に写真に収められる超広角単焦点レンズ、ニコン「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED距離計アップ

軽量コンパクトな超広角の単焦点レンズ

今回はニコンFマウントの超広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」です。

いわゆる標準ズームレンズの広角端は24mmくらいが多いのですが、それよりさらに広い20mmの画角を持つ単焦点レンズです。単焦点レンズなので開放F値はf/1.8という明るさ。さらに明るいf/1.4単焦点レンズのシリーズは値段も高く、58mm以外は結構重いのですが、このf/1.8シリーズは軽量コンパクトで、価格も比較的リーズナブル。
ニコンのオンラインショップでは9.7万円ちょっとですが、価格.comなどでは7万円台半ばで売っているところもあります。(※記載の価格はこの記事を書いている時点でのものです)

FXフォーマット(つまりフルサイズ)のカメラ対応の超広角レンズでありながら、355gという軽さも魅力。しかもナノクリ仕様。おかげで結構売れているらしく、比較的最近まで品薄気味の様子でした。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED

個人的には超広角レンズは、ズームレンズの「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(以下14-24)」と「AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR(以下16-35)」を既に持っていて、14-24の方は写りは凄いんだけれども、大きく重く、飛び出した前玉の存在感があり過ぎなので余程気合い入れて撮影しないといけない時以外は出番なし。

で、普段使いのお手軽ズームとして16-35を使っております。VR(手ブレ補正)も付いているのでこの時期はイルミの手持ち撮影も結構イケます。

まあそのようなわけで、超広角域の撮影は16-35で一応間に合ってはいるのですが、軽量コンパクトな超広角の単焦点レンズもi本欲しいなと前々から思っていたので某量販店で購入しました。

↓下の写真は左が16-35、右が14-24、そして中央が今回入手した20mm単焦点レンズです。

超広角ズーム2本と20mm単焦点レンズ

最近(2015年9月)24mmの単焦点「AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED」も発売されたので、こちらとも迷いました。24mmの方が構図のまとめやすさでは上かなと。しかし標準ズームを使っている時に「あと少し広角側が欲しい」ということも結構あるので、20mmくらいあっても良さそうな気もします。

結局、決め手はフィルター径でした。20mm f/1.8はフィルター径が77mm。24-70(非VR)や28-300、16-35と同じなので、既に手元にあるNDフィルターやPLフィルターが使い回せる、ということで20mmにしておきました。多少広めに撮影してあとからトリミングしても良いかなと。24mm f/1.8のフィルター枠は72mmなので。

結構消極的な理由ですが。。。

85mm〜20mmまでの単焦点レンズ比較

これで85mm〜20mmまでの単焦点レンズがそろったので、並べて写真を撮ってみました。

レンズの並び

35mm、58mm、85mmと並べてみると、すべてプラスチック鏡胴で質感も似たような感じですが、Nバッジと金環が付いているせいなのか、20mm、58mmは随分立派に見えます。

フォーカスリングの操作感は35mm f/1.8同様のちょっとガサつくタッチ。
この辺は同じニコン製のF1.4シリーズと差を付けてあるのかなと。
でもなぜか85mm f/1.8のフォーカスリングのタッチは滑らかなんですが。。。

20mmと35mm単焦点

マウントからフォーカスリング部分までは35mm f/1.8そっくり。Nバッジの有無くらい。
フォーカスリングの先が大きく広がっていて、20mmの超広角である事を感じさせます。
77mmというフィルター枠は、大型ズームレンズ並の大きさ。
このくらい大きくないと、フィルター装着時にケラレが出てしまうのだろうと思われます。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED

ちなみに、ニコンf/1.8単焦点レンズシリーズの広角レンズでは
24mm f/1.8のフィルター枠は72mm
28mm f/1.8のフィルター枠は67mm
35mm f/1.8のフィルター枠は58mm
という具合で、画角に合わせてフィルターサイズが大きくなってます。

カメラに装着すると、見た目がタコっぽい?

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED+D700左側フード無

実は購入前、ネットでの写真を見るとレンズ先端が大きく広がっている形状のため、「カメラに装着するとタコみたいで少々間抜けな印象だな〜」と思っていました。上の写真のようなアングルで見ると、フードなしでは漫画に出て来るタコみたいなので。

が、実際に入手してカメラに付けてみるとそれほど気になりません。
フードを付ければ見た目は意外とカッコ良い。

20mm単焦点+D700_5

208mm単焦点+D700_4

20mm単焦点+D700上面フード付

目一杯寄れる楽しさ。でもボケ味は少しクセあり?

最短撮影距離は20cm。20cmというのはカメラのセンサー位置からの距離なので、レンズの前玉からは5cmくらいまで寄ることができます。それを活かして被写体に目一杯近寄って強烈なパースペクティブの写真を撮るのも楽しい。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED撮影例

もちろん普通に広い範囲を写したい時にも良いです。歪みはなくはありませんが少なめです。絞り開放では甘めなので、1段程度絞るのがおすすめです。周辺光量落ちが気になる人はF4まで絞れば大体解消します。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED撮影例

開放F値1.8の明るさのおかげで、ちょっと絞っても充分シャッター速度が稼げます。
VR(手ブレ補正)はありませんが、手持ちでイルミネーションの撮影も結構平気。

それでもAEが迷い始める程の暗さの時はマニュアル露出でシャッター速度を1/20程度、絞りを2.2程度でRAW撮影しておけばISO800程度でも何とかなります。RAW現像で思いっきり明るく補正してもFXフォーマットの14bit RAWデータならかなり踏ん張ってくれますので。

ボケ味は比較的素直な印象ですが、状況に寄ってはちょっと二線ボケっぽい傾向になることがあるかもしれません。背景に木の枝などがあるとちょっとごちゃついた感じの写りになることもあります。58mm f/1.4のとろけるボケ味には及ばない感じです。まあレンズの値段もかなり違いますし。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED撮影例

※上記の撮影例はいつものようにRAW撮影データをCapture NX2で歪み補正などをしています。

情景を1枚の写真に自然に写し取ることのできる、20mmという画角

超広角ズームでは16-35や18-35くらいのズームレンジのものが多いこともあり、当初20mmという画角は少々微妙では?と思っていました。しかし街中でスナップ的に写真撮影するには結構便利だと感じました。14mm級の超広角レンズのような「視野に入るものは全部画面に収めてしまう」ような凄さはありませんが、それでも大体のものは画面に収まります。パース歪みもなくはないのですが、いかにも超広角レンズで撮影しましたという雰囲気が薄く、1枚の写真の中に自然な感じで街の情景を写し取ることができます。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED+D700

もちろんビルの外観全景を写真に収めたい時や、室内で引きが取れないような状況での撮影にも便利ですが、被写体との距離が近づいて来るとさすがにパース歪みは目立ち始めます。接近して撮影するときは肉眼の印象よりも遠近感が強調されてしまうことは頭に入れて撮影されるのが宜しいかと。

光量不足になりがちな室内撮影でもシャッター速度が稼ぎやすいので、動き回る子供の撮影にも向いているかと思います。

「フルサイズ一眼カメラの写りの良さは捨てがたいけど、重くて大変…」とお悩みの方はとりあえずこのレンズをカメラに付けっぱなしにしておくというのもありなのではないかと思います。

また、軽くてコンパクトなのでカメラバッグにとりあえず入れておけば、結構便利かもしれません。
標準ズームでは広角側が足りない、という状況でも20mmあればまあ何とかなることが多いと思いますので。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED+D700
 

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