α6700主観レビュー。遂にソニーAPS-Cミラーレスは完成に至った…のか?

しばらく前に購入したα6700を使い込んでみた感想など
もう去年の話になりますが、4年ほど使ったα6600を下取りに出して、α6700を買ってきました。
円安の影響もあってなのか、α6600よりお値段高くなっちゃいましたけど、個人的には「買い」だと思いましたので。
このα6700をしばらく使ってみた個人的感想など、レビューしてみたいと思います。
ネットなど見ていると、α6700の主な長所としてよく目にするのは…
・前ダイヤルが(やっと)付いた
・新型26MPセンサー(裏面照射型)
・AiAF搭載
・4:2:2動画対応
・UHS-II対応
・タッチパネルでの操作に対応
・グリップ形状の改良
あたりが注目点の様子。
個人的には
・背面液晶が横長でなくなった(これ重要)
・SDカードスロットがバッテリー室から独立した
・スチル/動画/S&Qの切り替えダイヤルがついた
あたりがツボでした。
一方でいまいちなポイントとしては
・マルチセレクター(ジョイスティック)がない
・カードスロットもシングルのまま
・シャッター速度が相変わらず1/4000(電子シャッターは1/8000)
・ストロボ同調も1/160
などで「ソニーAPS-Cフラッグシップとしては物足りない」という意見もある様子。
富士フイルムやキヤノンのAPS-C上位機種と比べるとスペック的に負けている、と。
まあ確かに「割り切った感」は否めませんね。
おそらくハイスペック勝負は避けて、ソニーの得意なセンサー技術やAFなどに「選択と集中」をしたのかなと思います。
ジョイスティックがなくても、AIによる最先端の被写体認識技術があるから大丈夫…と言えなくもないですし。
あとはやはり小型化への執念(失礼)か。。
スチル/動画/S&Qの切り替えダイヤルはかなり便利
個人的に静止画はAモード、動画はSモードで撮影しているのですが、
α6600ではスチル/動画/S&Qの切り替えダイヤルはなく、スチルで撮影していて、動画に切り替えようと思うとモードダイヤルを半周くらい回す必要があり結構面倒でした。
これがα6700ではスチル/動画/S&Qの切り替えダイヤルがついたので、スチル/動画の切り替えが圧倒的に楽になりました。
個人的には地味に嬉しいSDカードスロットの独立化
α6600からα6700にモデルチェンジしても、相変わらずカードスロットがデュアル(2枚挿し)でない点も不満な人もいる様子。プロ用途などでは2枚のSDカード同時記入できないと困る場合もあるようで、そういう用途には厳しいでしょうね。
でも、個人的にはSDカードスロットが本体のサイドに扉付きで独立したものになったのが地味に嬉しい。
α6600ではSDカードはバッテリー室に同居する形でしたが、バッテリーの脇の奥まったところにあったので取り出しにくいし、コンデジみたいで安っぽい感じもしていたので。
α6700ではSDカードスロットが独立したことで、カードの抜き挿しがかなりやりやすくなりました。それにバッテリー室を「間借り」している感もなくなって少し立派になった気もしますし。
まあ本当はデュアルスロットの方が良いですし、CFexpressカード対応ならなお良かった(かもしれない)んですが、あまり欲張ってその分お値段が上がっても困るんですが。(でもR7はデュアルなんですが…)
昔は結構あったSDカードの書き込みエラーも、個人的にはここ数年経験していないのでシングルスロットでもおそらく実用上は問題ないだろうと思います。
なぜかあまり話題にならない背面液晶のアスペクト比
α6600まではチルト式だった背面モニターですが、α6700ではバリアングルモニターになりました。ネットの口コミなど見ているとバリアングルモニターって好きな人と嫌いな人との差が激しい様子。私もどちらかというとチルトの方が好きですね。バリアングルって引っ掛けて壊しそうで不安なので。
バリアングルの賛否はともかく、個人的にはモニターの縦横比(アスペクト比)が3:2になった方が大きい。(すごく大きい)
α6000シリーズで1番イヤだったのが「背面液晶画面が横長」問題。
これまでα6000シリーズの背面モニターは、動画に最適化した(と思われる)横長のものがついていて、静止画だと実質画面表示がかなり小さくなってしまう(モニタの左右両端は使わない)のがすごくイヤだったのですが…
α7シリーズ同様に、画面全体に大きく表示されるようになって気分スッキリ。
α6700の進化点の中でも1、2を争うレベルの進歩だと思っているのですが…
でもこの件あまり話題になってないんですよね。不思議です。。。
ミラーレスとは思えない(かもしれない)起動の速さ
プロセッサーが新世代の「BIONZ XR」になったおかげなのか、電源を入れてから撮影できるようになるまでの時間がかなり短くなりました。ミラーレスって、起動が遅いものが多くてレフ機に負けている点の一つでしたが、もうあまりこの件は意識せずに済みそうです。
メーカサイトによるとα6600搭載の「BIONZ X」に比べて8倍速い、とのこと。
ただ良いことはすぐ慣れてしまうらしく、α7R IVを使うと電源入れてからの待ち時間がやたら長く感じるようになってしまいました。
α7R IVも前世代の「BIONZ X」なんですよね。。
ただし電池の減りは早いなと感じます。
高速な「BIONZ XR」に加えて「AIプロセッシングユニット」も搭載している分電気を食うのか?設定画面を少しいじっているだけでも電池残量が減って行く。。
でも電池1個で1日もつ感じなので(この辺は使い方によって差が出そうですが)大問題というわけでもない。
個人的には一応予備電池も一緒に持ち出すようにしています。
ボディの厚みが分厚くなって、逆に良かった?
ネットで見ているとα6700はα6600に比べて、ボディの厚み(グリップ含まず)が4mmちょっと増えているとのこと。
α7C(初代の方)の展示品をカメラ屋の店頭で見た時は、やたらボディが分厚くぼってりして見えたので、α6700を購入前はボディーが分厚くなったのが気になるだろうな…と思っていたのですが。。
実物を手にすると、意外に気にならない。
なんでかなと思ったらボディの背面上部を「斜めの面」にしているからなんですね。
α7CのII型でもこの「斜面デザイン」を取り入れているようなので、初代のような「ぼってりした印象」はかなり軽減されていそうです。(まだ実物を見たことがない)
でも「MENU」ボタンも斜めになったのがちょっと押しにくいかも?
まあ慣れかとは思いますが。
この「斜面デザイン」はエルゴノミクス的にも長所があって、右手で握り込んだ時にこの斜めの面を親指で握り込む形になりまして、これによりホールディングがかなり安定します。(持つ人の手の大きさにもよるかと思うのですが)カメラの天面を親指で押さえつけるように握り込めるのでかなり安定感がある。
結果的にボディの厚みが分厚くなったのは逆に良かった…かも?
でもベースプレートもあったほうが良い
ただグリップの前の天地幅が狭くて「小指余り」現象が発生するのは相変わらずで
大きいレンズを使うときはSmallRigのベースプレートを別途購入して装着してます。
α6600の時にもSmallRigのL型ブラケットを付けていましたが、その時は電池蓋の開閉スペースを確保するため、グリップ下部前方に当たる部分に出っ張りがあり、いまいち握りごごちが悪かったのですが…。
α6700用はここが部分的に開閉するようになって、バッテリー室の蓋を開けるときだけスペースを確保できるようになりました。バッテリー交換を終えたら開閉部分を閉じれば本来のグリップ下部の形状を維持できるというもの。なので延長グリップとしても違和感なく使うことができる。この仕掛け考えた人すごい。
グリップ部分下部のエッジも面取りしてあるので、以前のものより握り心地も大幅に改善しています(以前はエッジが手のひらに食い込んで痛かった)。
欲を言えば半ツヤの塗装(アルマイト処理?)がα6700本体の色と合っていないのが惜しい。α6700のボディはほぼ艶消しなのでベースプレートの半ツヤ色が黒々として、ちょっと違和感あるんですよね。。
自分で艶消しブラックで塗ってみようかと思いましたが…すぐ剥がれてきそうな気もするのでどうしようかと思案中。。
前ダイヤルが(ようやく)付いた
なぜかソニーはAPS-C機に前ダイヤルを付けてくれなくて(α6000以前の機種はどうだったのか知りませんが)、多分フルサイズとの差別化なんだろうと思っていたのですが、ここに来てやっと付けてくれたという感じ。
やっぱり競合他社がミラーレスAPS-Cの上位モデルを出してきたので、対抗策として付けざるを得なかったのかもしれませんが…操作性は劇的に改善。Aモード(絞り優先)で撮影していてもグリップから手を離さず人差し指で絞りを変えられる快適さ。まあ本来そうあるべきで、今までなかったのが不思議なくらいですが。。
でもその煽りで、
…電源レバーの角度が変わった?
【α6700最大の弱点?】電源レバーの角度問題
個人的にはα6700の最大の弱点は「電源レバーの角度」かなと思っております。(※個人的感想です)
ジョイスティックがないことでも
メカシャッター速度が1/4000までしかないことでも
カードスロットがシングルなことでもなく、
「電源スイッチの使いづらさ」。
他の方も皆さん指摘されておられるように、レバーの角度がものすごく使いにくい。
(※個人的感想です)
おそらくα6600よりシャッターボタンが前に出て、すぐ下に前ダイヤルがついたのでダイヤルと電源レバーとの誤操作を回避するためでしょうが。。。
特にONからOFFに切り替えるのがやりにくい。
α7CII(新型の方)も同様らしいですが、その他のα7シリーズと併用する場合、この角度の差はかなり気になる。(※個人的感想です)
と言っても今更角度を変えるのも無理でしょうから、これは慣れるしかないんですが…
α6700でデジイチはもはや必要十分かも?
他社の競合製品よりもコンパクトなボディに、AiAFや4:2:2動画などの高性能が詰まっているところがα6700の長所かと思います。α6700で満足できるかどうかは1/8000秒シャッターやSDカード2枚挿し、ジョイスティックなどがどうしても必要かどうか?が分かれ目ですかね。
私は結構満足していて「α6700でデジイチはもはや必要十分かも?」と思ってきてます。
世の中的には新型α7CIIの方が注目度が高くて、α6700は存在がかすんでしまっている感じですが。
まあフルサイズも持っておきたいですよね。満足感も高いですし。
でもAPS-Cも良いですよ。レンズが小さく、安く済む(ことが多い)ので気軽に持ち出せますし、画質もフルサイズと比べて大きく見劣りすることもあまりないですし(条件次第ですが)。
特にα6700とシグマ18-50との組み合わせが秀逸。軽量コンパクトで写りも良く、見た目も安っぽさは皆無。このレンズの登場により、遂にソニーAPS-Cミラーレスのシステムは完成に至った…という感じです。(※例によって個人的感想ですが)
ソニー純正標準ズームの16-55Gだとちょっと大きくて重いと感じ始めていたので。
【後日追記】シグマ 18-50mm F2.8 DC DNのレビューも書きました。
宜しければご覧ください。