デジタル一眼レフ&ミラーレス一眼カメラ、レンズの個人的レビューなど

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Nikon 1 V3の「プレミアムキット」を品切れ寸前の駆け込みで確保

Nikon-1-V3+10-100

ご無沙汰しております。
なんだかんだとドタバタしているうちに前回更新からもう3ヶ月経ち、2017年もあとわずかの状況。時間が経つのは早いですね。

で、しばらく前(2017年10月中旬)にNikon 1 V3の「プレミアムキット」を購入しました。
もうほとんど品切れに近い状況になっていたので駆け込み的に購入です。
今回はこれについてのレビューなど書いてみたいと思います。

このNikon 1 V3、残念ながら今年(2017年)4月に生産終了となった様子で、ニコンのホームページのV3のページにも「旧製品」との表示。

本当は本体とEVF(電子ビューファインダー)だけで良かったのですが、バラで買うと高い。
ということでNikon 1 V3本体に外付けEVFと外付けグリップ、10-30PDレンズがセットになった
「プレミアムキット」を選びました。(下の写真)

Nikon-1-V3プレミアムキット

飛び出したグリップと短いレンズの組み合わせはずんぐりむっくりながらメカっぽさ満載な雰囲気で、見た目のインパクトはありますね。(ストラップは例によって社外品を取り付けています)

画質的には最新型のNikon 1 J5(と言っても2015年4月発売なのですが)の方が良いと言われているのですが、J5は電子ビューファインダー(EVF)が使えない

Nikon 1 J5についてはこちらをどうぞ(過去記事)

下の写真のようにJ5ボディに「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」を装着して撮影しようとすると、望遠端で810mm相当(35mm判換算)の超望遠撮影となるので背面液晶では非常に狙いにくく、しかも小型ボディのJ5ではしっかりと構えるのも難しい。

Nikon1J5+超望遠ズーム

本当はVシリーズの新型、つまりNikon 1 V3の後継機を待っていたのですが、Nikon 1 シリーズの新型発売の話は全くなし。つまり現状、ファインダーを使えるNikon 1 で、2017年10月中旬時点で新品入手可能なものとしてはV3が唯一の選択肢。

ということで、品切れ前のV3「プレミアムキット」確保です。

Nikon 1 V3の良いところとイマイチなところ

【良いところ】
外付けEVFが使える(プレミアムキット以外は別売)
外付けストロボ(別売)が使える
・Vシリーズならではのきめ細かい操作性
・105点位相差AFポイント
(動体撮影に有利・J5も同様)
・ローパスフィルターレス(J5も同様)
・高級感ある作り
・タッチパネルでの操作も可能
(J5も同様)
・外付けグリップ使用で一眼レフに近い操作感(プレミアムキット以外は別売)
・赤外線リモコン(別売)が使用可能

【イマイチなところ】
・背面液晶とEVFの色がなんだか緑っぽい(特に撮影中)
・J5に比べるとホワイトバランスの精度がが今ひとつ(世代的にはこんなもんか?)
・J5に比べると高感度での画質が若干落ちるかもしれない傾向(大差ない気もしますが)
Bluetooth非対応でSnapBridgeが使えない(J5も同様)
・記録メディアがmicroSDカード(J5も同様)
・外付けグリップを装着すると電池交換ができない(電池交換のたびに外す必要あり)

J5を大きく上回る操作性の良さと高級感

ひとまずNikon 1 V3から外付けEVFやグリップを外した「素」の状態で、Nikon 1 J5と並べてみました。(下の写真)

Nikon-1-V3とJ5比較

外観はやはりJ5(写真右側)より一回り大きい。
表面仕上げも高級感があって滑り止めのラバーも上質感があり、随分立派な印象です。

そしてやはり特筆すべきは、何と言っても操作性の良さ

Fn(ファンクション)ボタンが本体に2つあり、外付けグリップを装着すればさらにもう一つ増えて3つとなります(下の写真)。それぞれに機能を設定しておけばEVFから目を離さず手探りでの操作も可能など、慣れればレフ機に近い感覚で操作することができます。

Nikon-1-V3操作部分_01

背面右上のメインコマンドダイヤルは回す以外に押し込む操作にも対応していて、これで「Fn2」ボタンとなります。

「AE/AF-L」ボタンは設定で「AF-ON」の機能に変更できるので「親指AF」も可能。

各ダイヤルやボタンの質感や操作感もしっかりしていて安っぽさは皆無。
操作系のサイズも必要最低限は確保されていて、小さすぎて使いにくいということも感じません。

独特のシャッターフィーリング

Nikon-1-V3シャッター周り_02

外付けグリップを装着するとシャッターボタンが2つに増えます。どちらを使ってもOK。
シャッター下のサブコマンドダイヤルもニコンのレフ機と同様の位置となります。

シャッターはNikon 1 シリーズ初代のV1ではメカニカルシャッターとエレクトリックシャッターが選択可能でしたが、V3では基本メカニカルシャッターで、超高速シャッターになると電子シャッターに切り替わる様子。
(「サイレント撮影」を選択すればシャッター速度に関わりなく電子シャッターになります)

J5の場合は全て電子シャッターで、シャッター音はスピーカーから「カシャ」というレリーズ音を発していたのですが、V3の場合はシャッター幕の動作音となります。

このシャッター音が独特。シャッター幕自体が小さく、動作する距離も短いせいか、小さく抑えた「パチッ」というような音がします。「パチッ」と書くと今ひとつカッコ宜しくない印象ですが、実際にはなかなか良いシャッターフィーリング。特に晴天屋外などでシャッター速度が稼げる状況では異様に鋭い、いかにも高性能そうな音を発してくれます。

丸窓アイピースの外付けEVF

EVFとOVF

外付けEVF「DF-N1000」のアイピースはいわゆる「丸窓」形状で、ニコンのハイエンド一眼レフっぽいデザインとなっています(というか意識した?)。
そこで今年9月に入手したD850(上の写真右)と並べてみました。
でもV3の方にはアイピースシャッターはありません。電子ファインダーなので。

EVFが外付けとなったことには賛否が分かれましたし、個人的にもEVFは内蔵が良いと思っていますが…まあ無い物ねだりしても仕方ない。

DF-N1000取付イメージ

取り付けアダプタ(マルチアクセサリーポート)の結合部分は結構しっかりした作りになっているので、そこそこ強度はありそうです。カメラバッグの中で「押しくら饅頭」状態になってもEVFがもげたりすることはないんじゃないかなーと思いますが、移動の時はEVFを外すようにしています。
(やっぱり見た目的に不安なので)

でも着けたり外したりしていると、本体のマルチアクセサリーポートのカバー(上の写真右下)とEVF接点のカバー(その左上の白いやつ)をなくしそうなのでそこは要注意ですね。

個人的には出番の少なそうな外付けグリップ

外付けグリップ「GR-N1010」を取り付けると確かに持ちやすくなりますし、サブコマンドダイヤルがレフ機同様の操作感になって良いのですが、取り付けが少々面倒な上に、グリップが付いていると電池交換ができない。

つまり電池交換のたびにグリップの付け外しをしないといけない

グリップGR-N1010シャッター周り_01

「いっそのことバッテリー内蔵した縦グリ付きにしてくれれば良かったのでは?」と思わなくもないのですが、そんなことしたら価格も跳ね上がってしまうと思われるのが悩ましいところ。

よって個人的には、普段は外付けグリップは使わないかな?と思われます。
本体側のNikon Df的な縦型のサブコマンドダイヤルも、慣れれば使い勝手も悪くないですし。

例外として、望遠端810mm相当(35mm判換算)となる超望遠ズーム「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」を使うときのホールド性は外付けグリップを使った方が明らかに良好。

Nikon-1-V3+70-300VR

それにしても漂う、「良いカメラ」感

と、いうわけで個人的には外付けグリップは70-300VRレンズ装着時限定として使用しています。

外付けグリップ無しでもホールド感はJ5よりかなり良好で、結構長めの高倍率ズームレンズ「1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6」を装着してもバランス的には良い感じ。

Nikon-1-V3+10-100_04右向き

ボディの質感や操作性も(先述の通り)かなり良くなっていて、なんだかちょっと感動してしまいました。(J5で結構我慢していたので)

いや、これならもっと早く買えばよかった。今更ですが。
見た目的には高性能機らしさがあり、凝縮感もあって、「良いカメラ」感が漂います。

Nikon-1-V3シャッター周り_01

ちなみに写真の10-100ズームレンズは結構使いまくっているのですが、レンズフード「HB-N106」のロックが緩くなって来たので最近買い換えました。このレンズフード、見た目はカッコ良いのですが、ロックが微妙に甘い感じ。よってロック用の爪が擦り減るのも早かったようです。

レンズフードHB-N106

しかし背面液晶とEVFの色はイマイチな件

話を戻しますが…V3本体は思っていたよりかなり良い出来で大変満足しているのですが、EVFと背面液晶が色が緑がかって見える点が個人的には少々不満。

Nikon-1-V3背面モニタ_02

メニュー画面でも緑っぽいのですが、特に撮影中に表示される画像の色調が緑がかっている上にくすんでいるのが少々気持ち悪い。撮影直後に表示される画像(※)の色はそうでもないのですが。
(※「撮影直後の画像確認」を「ON」に設定している場合)

紅葉の撮影などしていると、EVFを通して見ると紅葉しているはずの木々が茶色っぽく見えます。
色の組み合わせが重要な写真を撮影したい場合などでは少々不利ですが。。。V3を使い続けるならここは慣れる(または諦める)しかなさそう。

EVF自体は視野角も広く、まあまあ見やすくて気に入っているのですが、色情報の精度の低さは残念であります。

背面液晶も基本的に同様の傾向。
ここはJ5より大きく負けていると思います。
どうもセンサーの違いが主な原因っぽいようにも感じますが…詳細は不明。

液晶画面のスペックはV3もJ5も表記上は全く同じで、

・チルト式3型TFT液晶モニター(タッチパネル)
・約104万ドット
・明るさ調整可能
・角度調整可能

とのこと。モニタパネル自体は同じものなのかもしれません。

上記の「角度調整」についてはV3はモニターを180度回転させての自分撮りはできません。
タッチパネルでの操作はJ5同様。

撮影後画像の表示もV3はJ5より色がちょっとくすんだ表示となります。

Nikon 1 V3(左)とJ5(右)で同じレンズで同じ被写体を撮影した写真を背面液晶で表示してみました(下の写真)。

Nikon-1-V3とJ5モニター比較

モニターの写真なので正確な色になりませんが、表示の違いはなんとなくわかるかと思います。

J5とV3の画質の差は個人的には「大差ない」レベル

やはり気になるのは撮影した画像の画質。
特に高感度でJ5とV3にどのくらい差があるのか?ということ。

2015年4月23日発売のJ5はとにかく小型軽量が特徴ですが、画質も進化していて、20MP裏面照射型センサーを積んだことで1型センサーカメラとしては現在もトップクラスの画質と言われています。
個人的にも初めてJ5を手にした時はV1からの画質の進化に感動しましたし。

ただお手軽ラインのJシリーズということで
・外付けEVFも使えない
・外付けストロボも使えない
・赤外線リモコンも使えない

など、

「ないないづくし」状態。

本気で撮影したい時には、この拡張性の低さはやはりツラい。

対するV3は2014年4月17日発売。J5より約1年古い。
18MPのセンサーはJ5より1世代前のもので高感度耐性が弱め。
つまり少し暗くなるとノイズが増える傾向が強い…と言われています。

そのため個人的にもV3は見送るつもりでいたわけです。

が、

実際に撮影してみると「J5とV3の高感度での画質の差は少ないかも?」という印象。
ISO感度を3200まで上げて、JPEG撮って出しでもそんなにひどくない。

厳密に比べるとやはりJ5の方が高感度に強く、ホワイトバランスもより正確ではあるのですが、RAW現像でホワイトバランスを調整して、ノイズリダクションをかけてやれば画質の差はさらに縮まります。

V1はISO800くらいだともうノイズまみれでNRかけてもディテールが崩れて救済不能なことも多かったのですが、V3は大幅に改善していて、NR強めにかければISO3200もまあなんとか実用範囲。
センサー性能がV1よりは高感度に強くなっているのか、カメラ内部での画像処理が進歩したからなのか。

個人的にはV3とJ5の画質の差は実用上大差ないレベルであると思われます。
逆にJ5を使ってもAPS-Cやフルサイズの画質と比べればどんぐりの背比べ状態である、とも言えるのですが。

SB-300そっくりのスピードライトSB-N7

Nikon-1-V3+SB-N7+広角ズームレンズ

Vシリーズの拡張性を活かすために、外付けストロボ「SB-N7」も購入しました。
(上の写真は「ワイドパネル」装着状態です)

これを使えば
「1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6」
「1 NIKKOR VR 6.7-13mm f/3.5-5.6」(上の写真)など大きめのレンズを装着しても
レンズフードの影が写真に映り込む確率は格段に下がります。
ガイドナンバーも「18」と内蔵フラッシュの「5」よりパワーもあるし、首も振れるので(上下方向のみ)バウンス撮影も可能。

しかしこのストロボ、以前購入したSB-300そっくりです。
というか、カメラへの取り付け端子以外、外装はほぼ共通。
ワイドパネル取り付け用の窪みと操作部の印字以外、外観の違いは見られません。

SB-300とSB-N7背面
上の写真左が「SB-300」で右が「SB-N7」です。
「SB-N7」には広角レンズ用に光を拡散させるための「ワイドパネル」と、下部接点カバーが付属します。

外付けEVFと外付けストロボはどちらもマルチアクセサリーポートを使うので、一緒に使うことができないのは少々残念。(やっぱりEVFは内蔵が良いですよ。。。)

Nikon-1-V3マルチアクセサリーポート_01

残念ながらハイスピードFPシンクロは非対応。ストロボ使用時のシャッター速度は1/250が上限。

なので「1 NIKKOR 32mm f/1.2」単焦点レンズ(下の写真)など装着して日中シンクロ撮影するにはNDフィルタなど併用された方が良さそうです。それでもNikon 1 J5はストロボ使用時のシャッター速度は1/60が上限でしたので、撮影の幅は広がります。さすがVシリーズ。

Nikon-1-V3+SB-N7+32mm

こういうシステムとしての面白さがNikon 1 の良さなんじゃないかなと思います。
交換レンズ数本と外付けストロボなどが小ぶりなバッグに収まってしまう。
重量が軽いので三脚も比較的小型のものでOK。(強風時などはOKではなくなりますが)

この機動性と拡張性の両立こそNikon 1 の真骨頂!

…だと思うんですが、世間的にはあまり支持されなかったようで残念であります。。。

Nikon-1システムイメージ

以上、Nikon 1 V3プレミアムキットのレビューでした。

生産終了したカメラのレビューなんか書いてもあまり世のため人のためにはならないかもしれませんが…ま、基本自己満足のブログですのでご容赦くださいませ。

V3を手にしてみて、小型ミラーレス機としてはかなり良いセンまで行っていたんじゃないか?と思います。拡張性も高く、操作性は良好ですし、低いと思っていた高感度性能も意外に使える、ということで。これに最新の裏面照射型センサーや最新の画像処理エンジンを積んで、SnapBridgeにも対応したものを販売してくれれば…と考えずにはいられません。

個人的には当分の間、小型一眼カメラとしてはこれがメインになりそうです。

Nikon-1-V3+SB-N7正面

【おまけ】Nikon 1 の先行きがやっぱり不安な件

今年(2017年)10月末にニコンの中国工場の閉鎖が発表されました。
中国で生産していたデジカメや交換レンズなどは、外注やタイの自社工場に振り分ける、とのこと。Nikon 1 シリーズはレンズもボディも中国工場製だったのですが、今後他の工場で生産再開してくれるのか、このまま終了となるのか。。。

以前の記事でNikon 1 は当分現状放置では?というようなことを書きましたが、正直不安です。

Nikon 1 用レンズもネットショップなどで「問い合わせ」になっているところが増えてきているように見えます。中国工場閉鎖で一時的にレンズ供給が途絶えているだけなのか、このままフェードアウトしてしまうのかは不明。

とりあえず今はNikon 1 よりもD850の供給不足を解消する方が重要でしょうし。

個人的にはこのままNikon 1 消滅となった場合、小型デジイチはマイクロフォーサーズに置き換えて行くしかなさそうです。
 
【後日注】結局Nikon 1 シリーズのボディはニコンホームページで全部「旧製品」となり、事実上終了した様子なのでマイクロフォーサーズカメラを買い足しました。個人的な小型一眼カメラのメイン(というか主力というか)はこっちで行く予定です。

詳しくはこちら。
オリンパス OM-D E-M1 Mark II 12-40mm F2.8 PRO レンズキット購入
 

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