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大口径単焦点レンズ「ニコン 1 NIKKOR 32mm f/1.2」はNikon 1 用としてはかなり豪華仕様

ニコワン用レンズとしてはかなりの豪華仕様

Nikon 1 用のF1.2大口径単焦点レンズ「1 NIKKOR 32mm f/1.2」。
35mm判換算で86mm相当という、ポートレイト向けには定番の画角を持つレンズです。
Nikon 1 V4が出たら買おうかな〜と思っていたのですがフライングで購入してしまいました。

ナノクリスタルコートにSWM(超音波モーター)、マニュアル優先AF対応のフォーカスリングなどニコワン用レンズとしてはかなりの豪華仕様であり、お値段も高め。
このレンズが登場した当初は「センサー性能がいまいちしょぼめのNikon 1 V1にはオーバースペックなんじゃないの?」という気がしておりまして、マウントアダプタ「FT1」を使ってFマウント用の35mm単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED」を使っていたのですが、やっぱりNikon 1 用のレンズが欲しいな、ということで今回の入手に至った次第です。

評判通りの高級感あるレンズ

実物を手にして感じる事は、評判通りの高級感。重量は235gとNikon 1 用レンズとしては比較的重めのレンズですが、鏡胴が短いのでカメラに装着しても、10-100(1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6)のようなフロントヘビーな感じはありません。そのためNikon 1 V1に装着した場合、ストラップで首からぶら下げてもこの32mm単焦点ではあまり下を向かずに済みます。
10-100ではカメラがかなり下を向いてしまうのですが。

1 NIKKOR 32mm f/1.2

上の写真ではレンズ保護フィルタを装着しています。レンズの前玉はFマウント用単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」同様に奥まっており、こういうレンズに保護フィルタを付けると逆光時にフレアやゴーストが出やすくなってナノクリの意味が減ってしまうと言われているのですが。。。
やっぱりNikon 1 というカメラは気軽にレンズ交換できるのも魅力だと思うので、もしものときのために保護フィルタは付けておきたいなと。

キラキラのフォーカスリングとNバッジの威力?

フォーカスリングは滑らかさに加えトルク感も適度にあり、個人的には丁度良い感じ。超望遠ズームレンズの「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」ではトルクが軽すぎる感がありましたが、こちらは良好な操作感です。このフォーカスリング、光の当たり方によってはキラキラと光って干渉による(と思われる)虹色が現れます。(写真では再現できませんでした。ご容赦くださいませ。。。)

1 NIKKOR 32mm f/1.2

レンズ外観は例によって距離計もAF/MF切り替えレバーもない、超シンプル仕様。鏡胴の仕上げやレンズ各部分の造形は標準点焦点レンズの「1 NIKKOR 18.5mm f/1.8」と大体同じなのに、こちらの方が遥かに高級感を感じます。フォーカスリングのキラキラが効いているのか、Nバッジの威力(?)なのか。鏡胴後部の「くびれ」形状も効いているのかもしれません。

その他ディテールの造りなど

マウント部分は金属製。ニコワン用レンズはマウント部がプラスチックに金属メッキをしているものが多いのですが、これは金属製です。

1 NIKKOR 32mm f/1.2マウント部分アップ

あと、付属のレンズフードのデザインが地味に良いです。花形ではありませんし、一見ただの筒型のフードのようですが、フードの取り付け部分のデザインが鏡胴後部同様の逆R、つまりくびれ形状になっていて装着時に引き締まって見えるのです。やっぱりルックス的には「くびれ」って大事ですよねー色々と。最近のNikon 1 用レンズのフードはこの逆R形状のものが多いようですが、こういう細かいところに気を配ってあるのって、好感が持てます。フードの全長が短めなのも、Nikon 1 のコンパクト感を損ねなくて良いですね。

1 NIKKOR 32mm f/1.2+Nikon 1 V1

予算が許せば結構お勧めできるレンズ

モノとしては凝縮感があり、造りも非常に良く、満足感は高いです。Nikon 1 用レンズらしからぬオーラすら漂います。最初は迷走している感のあったNikon 1 も、デザインの方向がかなり固まって来た感じですね。初期のNikon 1 にあったチープな感じは完全に払拭されていますし、軽量コンパクトでしっかり写るので、予算が許せば結構お勧めできるレンズです。

細かい事を言うとレンズ名称表記文字がなぜかかなり白い(ブラックの場合)。10-10070-300はグレイの文字にしているので高級感があるのですが、こちらは普通に白い文字なのでちょっと浮いた印象。こちらもグレイの文字にしてくれるとさらに高級感が出せたのでは?と思います。

1 NIKKOR 32mm f/1.2+Nikon 1 V1

ニコン唯一の絞り開放F1.2のレンズ?

ともあれ、なんと言っても絞り開放f/1.2の単焦点レンズです。現在カタログに載っているニコンの単焦点レンズでは最も明るいレンズかと。
Fマウント用単焦点レンズでも現在f/1.2のレンズはないと思うので。

ただし、1インチセンサーのCXフォーマットなので、FXフォーマット、つまり35mmフルサイズと同様にボケるかというとそうではなく、大体画角の比率と同じ2.7倍のF値相当となり、

f/1.2f/3.2相当
f/2f/5.4相当
f/2.8f/7.6相当という具合になります。

ボケ具合だけに限って言うなら、このレンズは35mm判FXフォーマットのフルサイズカメラボディ対応レンズでは「F3.2相当の単焦点」と思って使うことになりますね。F値というのは有効口径と焦点距離の比率を示すものなので、厳密に言えば35mm判換算で云々というのは正しくないかもしれませんが、見かけ上のボケ方の目安としてはそういう見方もありかなと思いますので。

f/1.8くらいに絞って使うのがおすすめです

で、肝心の写りですが、FX用単焦点レンズに慣れた身に(目に?)とっては、まあ普通。18.5mm f/1.8よりも線が細く、シャープで繊細な描写をする傾向がありますが、ボケの感じもまあ普通かなと。それでも平板な描写になりがちなCXフォーマットのカメラで撮影したとは思えない立体感のある写真が撮影できる事が結構あります。

絞り開放のf/1.2ではちょっと甘めなので、個人的にはf/1.8くらいに絞って使うのがおすすめです。

このレンズはやはり人物撮影での使用がメインになりそうですが、作例用に近所の公園の木を撮影してみました。絞りはF1.8で撮影しています。(※いつものようにRAW撮影データをCapture NX2で歪み補正などをしています)

1 NIKKOR 32mm f/1.2撮影例

上の写真の中央付近を拡大したのが下の写真です(ピクセル等倍ではありません)。

1 NIKKOR 32mm f/1.2撮影例拡大

合焦点はシャープで、背景もまあまあ良い感じでボケてくれています。ボケに多少のざらつきがあるのはカメラボディ(Nikon 1 V1)のセンサー性能の限界によるものかと。

ともかく、センサーサイズの小さなCXフォーマットのニコワンで、大きく重いフルサイズの「並」程度のボケ味を実現できているのは貴重と言えば貴重。ただ35mm判換算で86mm相当の中望遠レンズなので、撮影対象は限られます。このf/1.2単焦点で18.5mmと10mm(9mmならもっと良い)のレンズを発売してくれたら、きっと両方買っちゃいますよ。

1 NIKKOR 32mm f/1.2+Nikon 1 V1

ますます膨らんでしまう「Nikon 1 V4」への期待

この32mm単焦点レンズを購入した事で、これまで使って来たボディ(Nikon 1 V1)では、最近の1 NIKKORレンズの性能を活しきれない、という思いがますます強まって来てしまいました。やはりVシリーズの新型、Nikon 1 V4の登場に期待が膨らむのですが、V4の発表はいつ頃なんでしょう?
この記事を書いている時点では、ネット上でも確度の高い情報はいまだに見当たりません。

V4は画素数はあまり上げなくて良いので、高感度性能を上げて欲しいところです。評判の良いJ5のセンサー積んで、EVFを外付けから内蔵に戻して発売してくれれば個人的にはもう十分OKなのですが。
画素数だけ上げて、高感度性能は相変わらず低いまま…というのは勘弁して欲しいなと。
マイクロフォーサーズの誘惑に耐えつつ、Nikon 1 用レンズを買い集めているのは将来のセンサー性能の向上を信じてのことですので。

宜しくお願い致しますニコン様。。。
 

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