デジタル一眼レフ&ミラーレス一眼カメラ、レンズの個人的レビューなど

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ニコン望遠ズーム「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」入手

D500+70-300/16-80/10-24

久々のブログ更新です。

なんだかドタバタしているうちに冬も終わりに近づいて、そろそろニコンDLリリースのニュースが聞けるかと思ったら開発中止の知らせにガックリし、ニコンの2017年3月期は90億円の最終赤字で希望退職の応募者が1143人というニュースに唖然としたりと、ニコンユーザーとしては気の重い年度末となっております。。。

とはいえ今年はニコン100周年。ここからの巻き返しに期待してます。

最初は全く眼中になかったのですが…

で、本題ですがニコンのDXフォーマット(APS-C)用望遠ズームレンズ「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR(以下「AF-P70-300」)」を入手しましたのでレビューしてみたいと思います。

AF-P70-300外観

発売は昨年2016年の9月。
最初は「初心者向けのキットレンズでしょ?」ということで全く眼中になかったのですが、カメラ関係のサイトなどで意外に写りが良いとの評判を結構目にしたので買ってみました。35mm版換算で望遠側450mm相当で重さ415gというのも魅力的でしたし。

個人的にはニコンDXフォーマットは主にD500にDX用ナノクリ標準ズームの16-80VRの組み合わせを使っていますが、所有しているFマウント望遠レンズはFX用のAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II(以下「70-200VR2」)か高倍率ズームレンズのAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」(以下「28-300」)のみ。

70-200VR2をDXのD500で使えばテレ端300mm相当の画角になるのでまあこれで十二分に良いんですが、何しろ重い(1,540g)。28-300なら800gなので大分ラクですが、さらに軽いお気軽望遠ズームがあっても良いかなと。

70-200と28-300と70-300

そんなこともあって安くて軽いこのレンズを入手したわけですが、価格.comの最安値より若干安い3.6万円程度で某大手ネットショップの「出品者」から買うことができました。ただし化粧箱なし、説明書なし、カスタマー登録カードもなし(国際保証書はあり)。おそらくレンズキットのバラシ品。

別売のレンズフードや保護フィルタを買ったら結局4万円程度になってしまいました。

このレンズの概要など

ひとまずこのレンズの概要から。
長所としては
・安い(この記事を書いている時点ではネット最安値3.8万円程度)
・軽い(415g)
ステッピングモーターで速くて静か
・4段分の手ブレ補正
・前玉が回転しない(C-PLフィルタ装着時など便利)
・EDレンズ使用(これがあると結構違う)
・M/Aモードあり(マニュアルフォーカスできる)
・値段に見合わぬ写りの良さ

短所は
・見た目が少々チープ(距離計もない)
・マウントがプラスチック製(多分に気分の問題ですが)
・レンズフード別売(3,000円程度)
・最短撮影距離が1.1mなのであまり寄れない
・テレ端開放F値が6.3と少々暗い

ステッピングモーター搭載の「AF-P」レンズ

AF-P 70-300前玉アップ
このレンズ「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」の大きな特徴の一つであるステッピングモーター(STM)ですが、検索すると色々出てきます。(ニコンの説明はこちら)。ざっくり言うと電磁パルスを使って駆動するモーターで、静音と速さ、そして緻密な制御が可能とのこと。実際、ネット上でもこの「AF-P」レンズは「爆速」という評価を多数目にします。(※ただし、使用できるカメラには制限があるとのこと。詳しくはこちら。

Nikon 1 用レンズは初期の頃からこのステッピングモーターを使用しているようですが、AF駆動用モーターとしては理想的な感じがします。強いて欠点を探すとすれば、電源オフの時はフォーカスリングを回しても反応しないこと。電源レバーがONになっていても、しばらく経つと通電しなくなるようでフォーカスリングも反応しなくなります。シャッター半押しで目を覚ましますが。

距離計なし、レバー類もなしのシンプルデザイン

28-300と70-300レバー比較

上の写真左のAF-P70-300はVR搭載ズームレンズにしては細身の外観。そして長い。写真右のFX用28-300より長い。そして距離計なし、VRやフォーカスモードのレバー類もなしのシンプルなデザイン。色々とスイッチ類が付いている28-300とは対照的です。
 

裏側表示比較b
左のAF-P70-300はレンズ裏の製造国表示がエンボス。この辺もきっちりコストダウンしている印象。右の28-300がテカっているのは使い込んで擦れているためです(シリアルナンバーはモザイク加工をしてあります)。
 

レンズ名シール
レンズ名の部分はシール。ニコンエントリークラスのレンズは基本これで済ませている様子。結構目立つ部分なので気にならないと言えば嘘になりますが、まあ価格を考えれば仕方ないですね。
 

レンズキャップ比較
リアキャップは白色半透明の押し込むタイプのもの。キットバラシ品(?)だからなのか、このクラスのレンズは他もそうなのかは不明。ニコンFマウントレンズは写真右のような「裏ぶた LF-4」で統一されているのかと思っていましたが、違うのかも?
 

カメラに装着してみると?

「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」をD500に装着するとこんな感じ(下の写真)。
細長い外観なので、DX(APS-C)機としては大柄なD500にはあまり似合っているとは言い難い。

本当はD5000系ボディに取り付けてみたかったのですが、ニコンDX機のボディはこれしか持っていないのです。

で、望遠側にズームして行くとレンズが繰り出します。100mmだとこんな感じ。
D500+70-300の100mm状態

200mmだと結構伸びて来ます。
D500+70-300の200mm状態

300mmの望遠端。目一杯伸びた状態でも繰り出した鏡胴はただの筒。
D500+70-300の望遠端状態

よくある2段で伸びてくるタイプにすればレンズ全長をもっと短縮できたのかもしれませんが、
コスト的にこのクラスでは厳しいのかなと。

ちなみに「2段で伸びてくる」というのは下の写真のような状態です。(D500+AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRの望遠端状態)
D500+28-300の望遠端状態

しかしフォーカスの速度は評判通りの速さ。
動作音がほぼ無音に近いから余計速く感じるのかもしれないのですが、フォーカス速度勝負なら大三元ズームと張り合えるレベルなんじゃないか?という印象。詳しくは後述しますが、飛んでいる鳥をAFで追い回しても余裕でしたし。

フォーカスリング

AF-P70-300ピントリング
レンズ先端にあるフォーカスリング、意外に滑らかに動くので操作感は良いです。先述のようにAF-Pレンズではステッピングモーター(STM)採用でメカ的にレンズと繋がっていないから当然なのかもしれないのですが。

M/Aモードもちゃんとあるし、安い割に基本的なところはしっかりしてます。ニコンのDX用高倍率ズーム18-300の安い方(f/3.5-6.3G)などはM/Aモード、ありません。

ズームリング

AF-P70-300ズームリング
幅の広いズームリング。
操作感はプラの擦れるガサガサ感は多少ありますが、引っかかったり重かったりということはないので実用上は問題いかなと思います。
広角端(70mm)〜望遠端(300mm)までの回転角度は90度くらい。まあ普通ですね。広角端から望遠端まで一気にズームするのもこのくらいの角度なら問題ないでしょう。多分。

レンズフード

レンズフード「HB-77」
別売フード「HB-77」はシンプルなプラスチックの筒型フード。
外側はカメラボディ同様の焼き付け風塗装、内側は艶消し仕上げで、安っぽさはないのですが、レンズの長さに比べて短い気もします。広角端70mmの画角に合わせると、この長さにならざるを得ないのかもしれませんが、できれば花形フードにして欲しかったなあと思います。別売なんだし。
お値段もメーカー希望小売価格3,240円(税込)と結構良いお値段なわけですし。

プラスチック製のマウント

AF-P70-300マウント
マウントはプラスチック製。
Nikon 1 用のレンズではプラスチックに金属メッキのマウントのものが多いのですが、このAF-P70-300レンズのマウントもメッキ加工がしてあるようです。マウントと擦れる部分の黒が少しはげてきていますが、見えてきている地肌は銀色なので。マウントがプラ製だと結構軽くできるようです。
レンズ自体も軽いので強度的にも大丈夫っぽいですが、この先ずっと大丈夫なのかは今の段階では不明。まあ大丈夫だろうと思っていますが。プラだとマウントの当たりも優しいのか、レンズ装着は滑らか。ネガティブ要素は今の所見当たりません。

ズームレンジ

このレンズの「70-300mm」というズームレンジはAPS-C(DXフォーマット)の望遠ズームとしてはちょっと珍しい。APS-C用標準ズームレンズは18-55mmのものが多いので、18-55mmと70-300mmの組み合わせでは55mm〜70mmの間のズームレンジが空いてしまいます。

個人的には標準ズームレンズは16-80mmがあるのでつながり的には問題なし。ワイド側を70mmに抑えたことでこのレンズの軽さと写りの良さ、価格の安さを実現できたのかなと思います。

10-24&16-80&70-300
ひとまずこのレンズ購入で以前購入した10-24と合わせてDXフォーマットレンズで10mm〜300mmのラインナップが完成です。35mm版換算で15mm〜450mm相当の画角。とりあえず大抵の撮影には対応できるかなと思われます。

で、実際に使ってみた

先日このレンズ持って海に行ってきたのでその時の写真も載せておきます。例によってRAW撮影してAdobe Lightroom で現像。歪み補正や傾き補正などしてますがご了承くださいませ。
補正なしのフル解像度の作例はネットで色々と拾えると思いますので。。。

トンビ
比較的低空を飛び回るトンビをD500の153点のAFポイントに頼りまくりのオートエリアAFを選択してAF-Cモードで高速連写モード(CH)でテキトーに連写。
それでもAFは問題なく追従してくれます。さすがステッピングモーター。

でも真っ昼間に頭上を飛ぶ鳥を撮ったのでほぼシルエットになっちゃいました。仕方ないのでAdobe Lightroomでシャドウを持ち上げてます。「それじゃレンズ性能わかんないじゃん!!」と言われそうな気もしますが、いや申し訳ございません。

それはともかく、晴天日中屋外で使うならもうこれで十分な印象。

こうなると小型軽量なD5600あたりに興味が出てきます。
一時はD700にf/2.8ズーム付けて「フルサイズ以外は一眼じゃない」くらいに思っていた時期もありましたが、Nikon 1 V1 +18.5mm F/1.8単焦点レンズを使ってからセンサーサイズへのこだわりがあまりなくなってきて参りました。

D5000系の小型軽量ボディにD500系の操作系を乗せた「小さなハイエンド機」を作ると結構売れるんじゃないでしょうか?フルサイズからのダウンサイザーって結構いると思うので、多少値段が張っても買ってもらえるのではないかと。マイクロフォーサーズのハイエンド機と良いライバルになれるのではないかなと思ってます。

でもミラーレスAPS-C機の開発で今は大変ですよね。

いや、想像ですけど。
 

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