ニコンのDX用超高倍率ズームレンズAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR

少し前にニコンの高倍率ズームレンズAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VRを購入したのですが、色々使ってみたのでそろそろレビューしてみたいと思います。
このレンズの特徴としては何と言っても約16.7倍の高倍率なズームができるところ。
35mm版換算で広角27mm〜超望遠450mm相当のズームレンジが1本のレンズでカバーできます。
価格.comの売れ筋ランキングを見てもニコンのレンズの中では4位に着けており、このレンズの人気の高さが伺えます。(※ランキングはこの記事を書いている時点でのものです)
やっぱり便利な高倍率ズームレンズ
観光地などでいろいろ撮りまくりたいときなどはいちいちレンズ交換していられないことも少なくないのですが、そんなときに高倍率ズームがあると便利です。
その他にも、運動会とか。登山とか。動物園とか。モーターショーとか。
と、いうわけでまずは撮影例。約16.7倍の超高倍率は下のような感じ。
下の写真は広角端18mm(35mm判換算27mm相当)で撮影したものです。画面中央の岩の上に白い二つの点が見えますが、これにズームアップします。
望遠端300mm(35mm判換算450mm相当)にズームアップして撮影したのが下の写真。
点にしか見えなかった2羽のウミネコが向かい合っているのがわかります。
※この記事に掲載している撮影例の写真はNikon D500で14bit RAW撮影したものをAdobe Lightroomにて現像しています。レンズ歪みや収差の補正はON、カメラキャリブレーションは「Camera Standard」を使用しています。明るさ、コントラスト、彩度など適宜調整しています。
あらかじめご了承くださいませ。
少々紛らわしい「5.6G」と「6.3G」
少々紛らわしいのが
同じニコン製の「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR」。
見た目はかなり違いますが、名前はほとんど同じ。
レンズ名称の後半が「f/3.5-5.6G ED VR」「f/3.5-6.3G ED VR」の違いです。
一応スペックを比較すると
【AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR(←メーカー製品ページへリンク)】
2012年6月発売
最大径83mm、長さ120mm、重量830g
手ブレ補正効果:3.5段、絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
価格は11万円〜13万円くらい(フード付属)。
【AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR(←メーカー製品ページへリンク)】
2014年4月発売
最大径78.5mm、長さ99mm、重量550g
手ブレ補正効果:4.0段、絞り羽根枚数:7枚(円形絞り)
価格は6万円〜8万円くらい(フード別売)。
(※価格はいずれもこの記事を書いている時点でのネット通販のものです)
「5.6G」はDX(APS-C)用レンズとしてはかなり大きく重いのですが、
「6.3G」はそれに比べると軽量コンパクト。値段も安い。
テレ端でのF値が少し暗いのですが、その分無理がないのか設計が新しいからなのか、
写りの評判は「6.3G」の方が高め。
メーカーサイトのMTF曲線を見ても「6.3G」の方が良好な様子。
欠点としては
・距離計がない
・M/Aモードがない
・レンズフードが別売
といったところ。
レンズフードが別売なのは販売価格を抑えるためなんでしょうか?
カメラに取り付けた全体の姿は下のようになります。
ボディは例によってD500です。
お気軽撮影用にD5600あたりがあっても良いような気もしますが…(また言っている)
外観は少々地味というか、素っ気ない印象
ニコンのズームレンズとしては標準的な外観ですが、
距離計もなく、凹凸の少ないフラットな鏡胴なので少し素っ気ない。
良く言えばシンプルでベーシックな外観ですね。
ニコンのズームレンズって、フォーカスリング周りは少し太くなっていることが多いのですが、このレンズは比較的フラットです。また、鏡胴の太さの割にフィルタ径は67mmと微妙に小さい。それに従い別売のレンズフードも小さめで、見た目は地味な印象です。このレンズのことを知らない人が見たら、450mm相当の超望遠撮影ができるレンズだとは思わないでしょうね。
高倍率ズームレンズ3本を比較
FXフォーマット(フルサイズ)用の「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」
CXフォーマット(Nikon 1 )用の「1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6」と比べてみました。
(各レンズにはレンズ先端部に保護フィルタを装着してあります)
FX用28-300は距離計もあり、各種レバー類もいろいろ付いていてメカメカしい外観。
巨大なフードが目立ちます。ボディはD750です。
CX用10-100はズームリングもAF/MF切り替えレバーもないすっきりデザイン。
こちらのボディはNikon 1 J5。
今回のDX用18-300(6.3G)はその中間、といった雰囲気。
VRはONとOFFの選択のみで「NORMAL/ACTIVE」の切り替えはありません。
また、フォーカスモードも先述のようにM/Aモードはなく、A(オート)かM(マニュアル)のどちらかのみ。ただし、A(オート)モードでもフォーカス後にマニュアルでフォーカス位置を調整できるので実用上は大差ないかと思います。
18-300(右)の方はズームリングのロックをかけるとオレンジの指標が見えます。
ちなみにズームリングのロックは28-300、18-300ともに広角端でのみ使用可能。
どのレンズもテレ端で鏡胴が盛大に伸びます。
購入直後に工場送り
高倍率ズームレンズはどうしても写り(画質)が悪いのでは?という不安があるわけですが、実際この18-300レンズ、購入当初は画像の周辺が大甘だったので、ニコンの工場で調整してもらいました。
(200mm以上のレンズの調整はニコンプラザではなく工場でないとできないとのことだったので)
調整後の画質はFX用の28-300とまあ同等くらいには写るようになりました。
それでは絞り開放広角端での撮影例をどうぞ。(18mm・f/3.5)
さらに撮影例をもう少し。(18mm・f/8.0)
(300mm・f/8.0)
(18mm・f/8.0)
海岸を飛行するウミネコをAF-C/ダイナミックAF25点で10コマ/秒の高速連写。
この前AF-P 70-300でトンビを撮影した時に比べるとウミネコは小さく、スピードが速い。
この18-300レンズ、AF速度は決して速くないのですが、結構合焦してくれました。
(125mm・f/6.0)
(300mm・f/6.3)
最短撮影距離も48cmと、通常の望遠ズーム(70-300とか)よりかなり寄れるので花の写真などもテレマクロ的に撮影できるのもメリットかなと思います。(300mm・f/8.0)
絞ると露出が変化する…かも?
24-80と比べると若干線が太いような気もしますがまあ若干です。
最近の高倍率ズームらしく、写りに関しては特に大きな欠点は見られません。
手ブレ補正も良く効いてますし。17倍近い高倍率の割には軽量コンパクトなので旅行などにも安心して持ち出せるのではないかと思います。
気になる点としては絞ると露出補正プラス1/3くらいかけたかのように若干明るく写る傾向があります。(私の入手した個体だけの問題なのかどうかは不明です)
RAW撮影する人は後で露出を補正すれば済むので大きな問題ではないですが、
JPEG撮って出し派の人には気になる点かもしれません。
そんな矢先にタムロンから22.2倍の超々高倍率レンズリリース。で、また悩む
というわけで今後、旅行用にはこのレンズがメインになるかと思っていた矢先、
タムロンから新型高倍率ズームレンズ
「18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD (Model B028) 」(←メーカー製品ページへリンク)
が発表されました。
焦点距離が18-400mmということで、なんと22.2倍の超々高倍率。
望遠側は35mm判換算で600mm相当。(ニコン機の場合)
外装はこの前購入した10-24超広角ズーム「B023」同様、ルミナスゴールドのリングがついた新世代の高級感ある外観。
問題としては
・最大径:79mm
・長さ:121.4mm(ニコン用)
・重量:705g(ニコン用)
ということで少々大きく重い。
そして手ブレ補正が2.5段と少々弱い(少なくとも数値上は)。
発売日は2017年7月20日だそうですが、これは困ったなと。
入手したての18-300を売却して買い換えるか、
性懲りも無くさらにレンズを買い足すのか、
それとも見送りか。。。
Lightroom のレンズプロファイルが来て、
ネット上の写りの評判なども見て判断することになりそうですが…
しばらく悩みます。。。